創刊号
会長あいさつ
ニュースレターで伝えたいこと
もし、同じ職場や学校にいるならば。もし、共通の時間が多く持てたならば。もし、パソコン通信で繋がっていたならば。これまでしてきたこと、今の状況、そして、これからのことが十分に分かりあえる。
なにか掲示板のようなものが欲しい。TIVONAの会が発足する前からずっとそんな事を考えてきた。日本語講座もすっかり根がつき、葉が繁り花が咲こうとしています。会員の皆さんは年齢、男女の別、社会環境の違いがあるものの、ボランティアとして外国人に正しい日本語を教え、彼らに日本での生活を快適にするためのひとつの機会を与える、という共通の目標を持っている。しかし、限られた時間でめいっぱいの活動をしていると、どうしても「隣」が見えない。全体も見えない。かといって、度々集まることも出来ない。そんなとき、このニュースレターを「オアシスの中で日記帳を書く/読む」ようなつもりで使って頂ければと、思っています。私個人、このボランティア活動を通じて多くのものが得られています。それについては、何時かページを貰い書きたいと思います。積極的に参加して、質の高い日本語教室ににしていきましょう。
(会長小須賀洋)
今までの活動報告
(TIVONAの会発足のための活動を含む)
1992,8[日本語講座の10月開講に向けて、会議を設ける]
- 講師6名と事務局藤岡、大木さんと数回会議をもち募集要綱作成から始める
- JAICAの授業を見学し、宮本氏のアドバイスを受ける
- クラスは講師2名以上で、日本人の自然な会話から導入するスタイルに決めた
- 教科書は「SIMPLE CONVERSATION IN JAPANESE 」とした
1992,10[第1期日本語講座開講]
- 講師6名、受講生22名で初級を3段階に分け、3クラスとし、同じ教室で始めた
- 毎週土曜日講師事務局と意見交換、反省等を行った。各クラスに適した授業方法、進め方等が決まっていった
1993,3,7[バス旅行:房総のむら(千葉県)]
- 参加生29名、講師4名、事務局3名合計36名、弁当は持参し、皆一緒に食べた
1993,4[第2期日本語講座開講]
- 講師18名、受講生78名、この時より入門、初級、中級に分かれ、教室は3つ使用
1993,9[つくばフェスティバル参加](講師、受講生共参加)
- 講師、受講生共に参加。「ヨーヨー釣り店」を出す
1993,10[第3期日本語講座開講]
- 講師26名、受講生95名。この時より火曜日クラス発足(入門、初級、中級)
- 今までの受講生の希望により水曜日に「日本語の会」発足
1994,2[ゆかりの森体験学習]
- 参加者32名、陶芸、竹とんぼ作り、わらぞうり作り等に自由に参加した
1994,3,19[TIVONAの会発足]
- 会長小須賀洋、参加者18名
1994,4[第4期日本語講座開講]
- 講師25名、受講生115名
1994,7,23[TIVONAの会第一回講演会]
- 講師細川晴子氏 参加者24名
1994,8[バス旅行アサヒビール工場他見学]
- 参加者60名
1994,10[第5期日本語講座開講]
- 講師24名、受講生73名(1994,10,14現在)
(山田しのぶ)
第一回講演会について
過日TIVONAの会の第一回講演会は細川晴子氏を迎えて行われましたが、まずは大成功だったと思います。恐らく細川氏の講演を聞いて、日本語教師ボランティアへの意識が変わった方も多かったのではないでしょうか。外国人に日本語を教授する立場として、最低限これは必要と思っていた線を引き直し、自分たちのボランティア活動が実に恵まれた環境の中で行われていたということを改めて確認しました。
これからもこのつくばで、私たちはボランティア活動を続けていきます。もしかしたら各自の、または全体の活動に支障をきたすような難問が生じるかも知れませんが、その時このTIVONAの会がみなを支えることのできる存在になれることを願っています。
(古谷謙宗)
発足した勉強会
教科書選定会
中級の教科書を変えるため去る8月26日に大木さんをはじめ、有志8名で四谷の凡人社へ行きました。皆で候補をあげて、協議しましたが、各教科書一長一短あり、悩みましたが価格も考慮して、「文化初級日本語・」に決定しました。
凡人社には日本語関係の本が多く置いてあり、日本語教育にたずさわる人達には何時間いてもあきない書店です。まだ行ったことのない方はぜひ一度行ってみて下さい。「教科書を決める」という事は難しいものだなというのが、今回の私の感想です。でも経験者のアドバイスによりますと、オールマイティな本などないので、あとは使用者の工夫が大切だとの事です。教科書が決定して、教科書勉強会を9月3日に行いました。卜さんを講師に2時間勉強しました。短時間の勉強会でしたのでまとまった成果は得られませんでしたが、私は「もっと勉強しなければダメだ」という感想を持ちました。お互いに刺激し合うためにも続けて勉強会が持てるといいですね。
(川辺千恵子)
月一回の勉強会について
先にお知らせしました勉強会の予定は、
日程:
10月22日(土) |
10:00~12:00 |
二宮公民館2F |
11月 9日(水) |
18:30~20:30 |
二宮公民館2F |
12月 3日(土) |
10:00~12:00 |
二宮公民館2F |
1月17日(火) |
18:00~20:00 |
二宮公民館2F |
2月18日(土) |
10:00~12:00 |
未定 |
3月18日(土) |
10:00~12:00 |
未定 |
内容:
1. 入門クラスの導入方法。母国語による影響をいかに指導するか、そのタイミング
2. 日本事情、生活情報の与え方。教材の使い方
3. 助詞
4. 形容詞
5. 動詞
6. ヤリ、モライ(敬語も含めて)
テキストを使うか、否かは、今後検討して行きます。多くの問題提示がなされ、成功、失敗の経験談、アイデイアの紹介等、今後の講座の役に立つ中味の濃いものにして行きたいと思います。
(林はる子)
第1回勉強会を終えて
第1回勉強会が10月22日(土)に開かれました。今回は野口さんに「やりもらい」と「~たい、~たがる」をテーマに話してもらった後、授業中に問題となった「やりもらい」の特殊なケースについて皆で考えたり、韓国語では「くれる」と「あげる」が同一の言葉なので混乱を起こしやすく注意が必要とか、その他今後の授業で参考になる点がいろいろ話し合われました。又、「やりもらい」を授業に取り入れるタイミングについての話から発展して、クラス毎の授業内容の基準化や、教科書のみなおし意見、オリジナルの教科書があっても・・・といった意見も出て、勉強だけでなく、普段できない意見交換の場でもありました。当日の参加者は11名でしたが、より分かり易い授業を目指して、お互いに学び合って行きたいと思いますので、多くの方々の参加を期待しています。尚、第3回は12月3日(土)は、卜雁さんが「敬語」について話してくださる予定になっています。
(松井友子)
1994年度第・期講座の印象、感想
This calss has been the best thing that has happened for me in Tsukuba.
My language skills are poor - but my friendships with people associated with the city are great ! The people associated with this program are "tops"(the best).
I am sorry that I am such a poor student of language, but the teachers have been very encouraging and kind. Thank you!
(Cathy Shaver ・アメリカ)
[日本で6カ月を過ごして]
私が私の家族と一緒に、来てからもう6カ月が、なりました。その間、いろいろな事がありましたが、一番記憶に残る事は、やはり日本に来た時、初めの何日間の生活と思います。この何日間は、とっても寒かったです。暖房の方式も違って、店も遠いあるから、車を買う前までは、不便な事が多いありました。私の国では、大衆交通を使う事が一般化なりている、日本も同じだと思いました。もう一つ困難した事は、言語だと思います。今は先生のおかげさまで、初めの時より少しよくなったと、思います。となりの日本人の友達も出来し、どのくらいのゆとりも出来ました。今では週末に、近い所以外に、行ったことが、有りませんので、機会があれば、日本にいる間に、親戚が住んでいる奈良と京都などを、一度旅行してみたいです。
(兪 在彦・韓国)
私には、4月からいままでの日本語講座の時間が、とてもたのしくて、有益でした。普通の日本人と話すときには、ならえない正しくて、正確な日本語をならった時間でした。また、いろいろ、国の人を、あって、その国の生活と文化とも知って、友達をつくる機会になって、本当にうれしかったです。この時間は、私の日本の生活、本当に助けになっています。親切でやさしい4名の先生に、感謝の心を、伝えます。いままでよく、おしえて下さって、本当にありがとうございました。(李 奇英・韓国) 日本に来たとき、日本語が全然できなかったので、本当に困りました。今年1月、私は二宮公民館の日本語クラスの初級コースにいきました。古谷先生も丸山先生も斉藤先生もとても親切で、教科書以外ときときゲームをしました。楽しい雰囲気のなかでいい勉強になりました。日本はとても好きだったので、早く生活になれたいと思い、4月からの中級コースに入る決意をしました。このコースの先生は四人の女性です。(松井先生、野口先生、林先生、ふじわら先生)すごく丁寧です。毎回授業が始めたとき、クラスメートのみんなと一緒に活題について話し、先生がいろいろ日本のこと教えてくださいました。とても楽しいかったです。いま、中級の授業すぐおわりますが、今度私は10月の日本語の会に入りたいと思います。先生方に心から感謝いたします!
(李 東・中国)
[日本語の教室]
はじめに、つくば市へ来て、こんな日本語プログラムがある事実を知って、ほんとうによろこびました。 毎週火曜日、私の主人といっしょに、勉強する時間は、文形を主とするので、実際生活で、たくさん助けをもらいました。又、日本文化、日本生活について、簡単な説明も、日本をしって、理解するに、たくさん助けをもらいました。 とくべつに、先生たちは、外国人がまちがいやすい、はつおんと、助詞使用などを、親切にに教えてくれました。
韓国へかえれば、日本語教室のおもしろいどもたちと、親切な先生たちを、わすれられません。
(李 銀珠・韓国)
[中井先生と平野先生へ]
あっと言う間に一年立ちました。去年の10月頃常用リビングのちらしで日本語の教室があることを知ってさっそく申込みに行きましたが場所がわがらなくて結局事務局の人が迎えにきって下さいました。本当に助かりました。
勉強の初日私を含めて10人以上の生徒がいました。そして先生達はボランティアで日本語を教えていたことを知って「すごい事」だと思いました。
一年間先生達は日本の習慣、漢字や文型などを教えてくださいました。授業中かならず週末にどんなことをしたか私たちにたずねたのでそれについて自分たちの言葉で説明して(もしまちがえたら直してくださって)会話の練習になりとて良かったです。
それといろいろな国の人達といっしょに勉強が出来それぞれの人から、いろいろなことを日本語の勉強を通してとてもためになったと思います。
もっと勉強したいと思いましたが今月いっぱいでこの教室がおわるのとても残念です。私達は、中井先生と平野先生に感謝の気持ちがいっぱいあります。一年間本当にありがとうございました。
(ラム オン エイン・シンガポール)
(原文のまま掲載しました)
TIVONAの会に寄せて
TIVONAの会発足、TIVONA通信の発行おめでとうございます。
私がこの財団に就職したのと、日本語講座の事業が始まったのは、ほとんど同時でしたので、自分の仕事としてとても大きな部分を占めています。まだつくばに来て日も浅く、国際交流の経験も未熟な私、そして私たち財団スタッフを盛りたてて下さったのは、みなさんボランティアの方々の熱意と努力のおかげと心から感謝しています。TIVONAの会発足につきましては、ボランティアの方がより充実した活動を求めて、自主的に結成していただき、本当にボランティアの方に恵まれているとつくづく感じています。私的なことで申し訳ないのですが、私はこの12月に、初めての出産を迎えますす。休暇を取ったり、初めての育児にと、今まで以上に、みなさんにご迷惑をおかけするとは思いますが、人生の先輩として、よきパートナーとして、これからも、よりいっそう日本語講座を盛りたてていただきたいと思います。
(大木喜子)
INFORMATION
シンボルマーク募集
この会にふさわしいシンボルマークを作りたいと思います。
皆様の良いセンスと,隠されている能力を期待しています。ふるってご応募下さい。
スタイル、形式等一切自由です。
採用された方には、会長より豪華景品が授与されるかも・・・・!
会員募集:まだ会員になられていない方へ
年会費 1、000円 です。
この日本語講座に関わっている方、関わりたい方、勉強したい方、ぜひご入会ください。
一緒に勉強していきませんか......
財団蔵書日本語教育関係書籍紹介(一部)
- しんにほんごのきそ・(かんじかなまじり,ローマ字版,英語訳版)
- 日本語を楽しく読む本・上中級
- 日本社会再考
- 日本語外国人に教える日本人の本
- 初級日本語ドリルとしてのゲーム教材50
- 日本語文法
- 経験の浅い日本語教師の問題点の研究
- 日本人語
- 日本の家庭生活
- コミュニケーションと日本語教育
編集後記
念願のニュースレター1号が出来上がりました。1992年秋,藤岡,大木さんとボランティア6名で出発したこの日本語講座も,3年目で講師数46名,延べ受講者300 名出身国は約30ケ国と成長し,3月には講師の会〔TIVONAの会〕が発足しました。会では講座の発展と共に,私達も成長して行くよう,勉強会,講演会等を計画しています。このニュースレターは講師間の心のつながりや,情報の伝達の援けとなることを目標としています。皆様のご協力をお願い申し上げます。さて12月24日に大木家に初めての赤ちゃんが誕生する予定です。今年のクリスマスは楽しいことが重なりそうです。
TIVONA通信第2号
足を洗えない<?xml:namespace prefix = o ns = "urn:schemas-microsoft-com:office:office" >
ボーマンさんが教室に入ってきたのは8時15分を過ぎていた。少し興奮気味であった。それに、段ボール箱を重そうに肩に載せていた。お世話になった先生方にお礼のドイツワインを届けるためであった。クリスマス前に帰国すること、それまでの2~3週間を関西方面に旅行する事、もし再来日することがあっても、それは東京になってしまうことなどを手短に話した後、一人一人の先生につくばでの日本語教室がとても良かったことにお礼を述べていた。入門から初級へと、1年にも満たない私達とのつきあいでしたが、大変さわやかな印象を残していってくれた。
私と国際協力・国際交流との出会いは、私がまだ20才代の前半の頃であった。それは私の職場に4人の途上国からの研修員が来たことから始まる。英語が共通語とはいうもののそれぞれ第三国の言葉であり、技術移転以前の問題から取り組まなければならなかった。意思の疎通、信頼関係が出来上がるまで、普通かなりの時間を要することになる。これまでも、何度も、「なぜ分かってもらえないのだろうか」、「なぜ嘘をついたり、狡いことをするのだろうか」、「もう二度と面倒を見ない」などと考えたことも度々あった。
しかし、多くの人が帰国する頃には、こちらの考え方、価値観などを理解してくれて、あるものは涙をいっぱい浮かべて、感謝の気持ちを表してくれたりもした。
私自身はそういった、浪花節的な見返りが嬉しくて、このような世界に永く接点があった訳ではなく、むしろ逆に、世界のいろいろな国から来た人々が私の知らなかった、多くのことを教えてくれるからです。人間相手の仕事は無限の変化があり、一度その楽しさがわかると、もう足を洗えない。
(小須賀 洋)
県国際交流奨励賞を受賞!
今年度の茨城県国際交流奨励賞にTIVONAの会が選ばれました。これもボランティアの先生方の地道で、たゆまないご努力の賜物と感謝して、受賞の喜びを分かちあいたいと思います。おめでとうございます!
この賞は、茨城県の国際交流の推進に功績のあった個人または団体を選び、表彰するものです。選考の方法は、各市町村から県に推薦をして、その中から県知事が決定するというものです。当会が推薦された理由としては、在住外国人に対する日本語教室の活動が、外国人の日本での生活を支援し、外国との相互理解や友好親善の発展に寄与しているなどのことを評価された模様です。なお、表彰式は2月16日午前11時から水戸市の茨城県公館で行われました。
(小野 富重)
各クラスの状況
[入門クラス]
登録者数:9名
出欠の状況:5プラス、マイナス1
- 現在実施している内容程度:
「入門日本語」アルク社のテキストに従って学習を進めています。
それに絵カード、実物等で補足説明をしています。なるべく全員で、日本語で会話をするよう心がけています。あと、トピックスそ取り入れ、四季折々の話題を授業の始めに10~15分話すようにしています。
入門コースなので、日本語がまだ良く理解出来ていない人が多く、ゆっくりと、ハッキリと話すようにしています。 - 問題点とその解決策
一人の方が日本語も英語もまだ良く理解できていなく、全員の足を引っ張っています。
しかし本人には日本語を学習したい意欲は十分あり、毎回必ず出席してきます。
我々としては、日本語を良く教えたいのですが、他の人達の事を考えるとベクトルを他の人達に合わせざるをえません。それでも必ず出席してくるし、わからない時などは、他の生徒たちが助けてくれるので、これでよいと思っています。 - これからの予定等
なるべく日本文化を教えてあげたいと心がけています。時間が許せば、ホームパーティ、趣味等それらを実現したいと思っています。
せっかく日本にいるのだから、日本の身近な生活感を味わっていってもらいたいと思っています。
(荒井 博)
[初級クラス]
私のクラスは、火曜日の初級クラスです。毎回、5~8人ぐらいの生徒が来ます。生徒の国は、中国、タイ、ミャンマー、スイスなどです。先生は、私と伏原先生の2人でしています。
授業は、教科書に沿って行っています。私は、外国語が出来ないので、授業は、日本語の使用しています。黒板に書くの字も日本語(ひらがな・カタカナ・漢字にはふりがなをつけます)です。簡単なゲームを取り入れたりしましたが、ルールの説明が複雑になるとできませんし、興味を持ってくれるかどうかが問題です。教科書のドリルも、できるだけ単調にならないように考えていますが、難しいです。生徒の方から、家で勉強したいからとテープの要望があって、財団に買ってもらいました。生徒側の積極的な姿勢は、私たちにもいい刺激を与えてくれます。そういう生徒の気持ちに答えられるよう、頑張りたいと思います。
(野口 亜由子)
[中級クラス]
日本語教室水曜日中級クラスの登録者は12名、常時学習者は4~6名で、教師は4名である。始めは、学習者間には能力差があったが、自発的な「初級クラス」や「日本語の会」への移動や長期欠席などで、現在は、ほぼ平均的中級クラスであると思う。学習は、テキストに沿って、先生は二人一組となり、一人は教え一人は板書して授業を進めている。フリートーキングや日本の行事、習慣の紹介時に出る新しい言葉や、言い廻しは、日本語の語彙を増やすため、白板に書き説明している。こんな中で楽しいのは、フリートーキングのひとときで、冬休み明けの授業では熱心なイスラム教徒のパキスタン学生から、全員、信ずる宗教は何か、どんな風に祈るか尋ね合う展開となり、ミヤンマーの女性は床に座り祈る型を見せてくれた。まさに和気藹々の雰囲気でした。この様に教室を通じて世界各国の人達と出会い、判り合えるということは幸せである。
(高橋 桂子)
[日本語の会]
- 参加登録者の数-19人
- 出欠の状況 -70%
- 現在実施している内容及び程度-
「絵入り日本語作文入門」をテキストとして使用しているが、できるだけ日常生活にそくした内容で進めている。例えば文法を教える時には、実際の生活場面でその用法が使えるように、会話、ロールプレイなどで変化をつける。あるいは、毎回短文を作らせ、会話分との違いを確認させることで課題につなげている。 - 問題点とその解決策-
テキストを教えるのではなく、何を教えるのかが大切だとい思うが、いま使っているテキストは使いにくい。受講生が購入しているので無視はできない。教案を作る度に、どこにポイントを置いて教えたら効果的か悩むことが多い。教育効果を上げるためには、個々の能力に合ったカリキュラムを作成することだと思うが、そこまでは難しい。せめてもと、出来るだけ受講生の意見を取り入れながら進めている。また英語圏の人には安易に英語で説明せず、日本語で丁寧に説明するように心がけたい。
(竹田 三枝子)
第3、第4勉強会報告
12月3日の第3回勉強会では、卜さんが「敬語」について話して下さいました。
敬語の使い方に影響を与えるものとして、言語外の要素には,話す相手が身内か否か、同じグループに属しているか否か、職場における上下関係があるか否か、社会的地位があるか否か、年齢や性別等の人間関係に加えて、話題にのぼる人がその場にいるか否か、内容が聞き手に属するか否か、電話か手紙か、といった伝達状況、手段がある。そんな中で外国人にとって、自分の意見や立場を、いかに表現するか。本音やたてまえの違いをふまえ、協調的に話を進めるのは、とても難しい部分である。
言語内の話題として、尊敬と謙譲の使い分けは、たくさんの例文をあげて説明するのがいい。尊敬を表す助動詞「~れる、~られる」は、可能や受け身を表すものと同じ形だから、前後の文や、その時の状況から判断すること。
外国人にとって、日本語の発音の難しいところは、中国人の場合は「ウ」と「フ」の発音と、中国語には存在しない、促音と長短音などで、韓国人の場合は「そう」と「しょう」の区別と清濁音の区別です。
中国語は、日本語に比べて、挨拶の言葉が少なく、「いただきます」や「ごちそうさま」は、その習慣がないから、慣れるのに時間がかかるそうです。
年が改まって1月17日第4回勉強会では、「どういうところで、動詞、形容詞が問題になるか」をテーマに、講師の守時さんが、質問を出して、皆で考えるという形で進行しました。
ナ形容詞名詞は、きっちりと区別できるものではなく、その必要性もないこと。品詞一般の区別については、意味で判断しないで、文法的な性質によって分類すること。語尾が「~れる」で終わる述部は、全て他動詞の受け身のように思われるが、そうではない。例えば、対応する他動詞の能動形を考えてみると、生まれる←→生まる、焼け出される←→焼け出さる、うなされる←→うなす、となって、これらは存在しない。ということは、自動詞であるということになります。
自動詞の使役形か、他動詞か、という場合も同様に、形で見ただけで、わからない時は、対応する言葉を考えたり、例文を作ってみて判断するとよい。
出席出来なかった皆様、下の問題を考えて見てください。
問題1.次の語の品詞は何か
A.(1)元気 (2)病気 (3)昨日 (4)未婚 (5)グレー (6)静か
B.(1)できる (2)寒い (3)ほしい (4)ある (5)ない (6)違う
問題2.次の語は、他動詞の受動形か、自動詞か
(1)出される(2)教わる(3)つかまる(4)うなされる(5)焼け出される(6)生まれる
問題3.次の語は、自動詞の使役形か、他動詞か
(1)起こす (2)寝かせる (3)寝させる (4)(肩を)ふるわせる (5)(懐に短刀を)しのばせる (6)済ませる
勉強会も、残すところ2回となりました。大勢の会員の参加を!!
(林 はる子)
つくばから離れて――――
時折いただくつくば都市振興財団からのお便り、とてもうれしく拝見しております。
公演のお知らせを見るたびに、受講したいなあと思うのですが、茨城と大阪では、ちょっとという訳にもいかず、いつも大変残念に思っております。つくばの日本語講座は本当に楽しい思い出になてしましました。日本語講座が開講されるに当たり、何度も何度も話し合って決めた教科書。授業のための教案作りや下準備。どれもこれも私にとって大変貴重な経験であり、勉強させていただきました。財団の藤岡さん大木さんには、私たち6名の先生(?)がどれほどお世話になったことか、お礼の申しようもない程です。その先生でるる岡崎さん、川辺さん、鈴木さん、谷津さん、山田さん(アイウエオ順)の方々との出会いも今では楽しい思いでのひとつです。
大阪ではYWCAの日本語教師養成講座に受講しておりましたが、この1月に母が足の骨折で入院してからは、お勉強の方はいましばらくお休みです。この先どのような形になるかわかりませんが、この広い大阪で国際交流の機会があれば参加してみたいと思っております。
(田辺佳子:大阪府堺市在住)
1994年忘年会
12月6日、TIVONAの会の忘年会が二宮公民館近くの焼鳥屋「とり吉」でありました。火曜日のクラスの終了後、8時半頃から始まって、集まったのが会長の小須賀さんを含めて十名、人数としては、ちょっと淋しい感じでしたが、狭いお座敷は結構一杯になりました。
ビール、お茶とにぎやかな飲物の注文から始まって、まず肉みそ。レタスにこれを手巻きにしていただくのですが、なつかしい味噌の味とレタスとの取り合わせがフレッシュでなかなかおいしいものでした。レバーあたりまではお馴染みのものでしたが、砂ぎも、軟骨、皮など日頃食べ慣れないものが次々と出てきて、思いがけぬ食体験となりました。
「食べる」ことにさえいつの間にか小さな枠を作ってしまっている自分に気付き、多くの人との出会い、交わりによって無理なく、楽しく生活の巾を広げてゆけるのだと実感した一夜でした。今年の年末はもっと大きな集まりになることを期待しています。
(丸山 節子)
編集後記
3月11日の徳永美暁先生の講演会には皆様ご協力下さいまして有り難うございました。当日の参加者は21名でした。講演は分かりやすく、実戦的でとても有意義な内容でした。残念なことに時間が充分でなく、続きをうかがいたいと言う声も多かったので、また次の機会を持つことが出来たら幸いです。
TIVONAマークの応募が4点ありました。3月末まで応募を受け付けていますので、皆様のアイディアをお待ちしております。
TIVONA通信vol.3
ヨウヨウの店<?xml:namespace prefix = o ns = "urn:schemas-microsoft-com:office:office" >
国際交流フェアに参加して・・・
1995年5月14日にヨウヨウの店を手伝いました。最初に大木さんがヨウヨウの作り方を教えて くれました。ヨウヨウはまず水そして空気ををポンプでバルーンに入れて、それから空気と水が出ないようにバルーンの先をゴム紐で結びます。だけど私の初めてのヨウヨウはゴム紐がよく結んでいなっかたので水が飛び散ってお客さんや他の店員を濡らしてしまって困りました。でも頑張りました。何回か練習をしたら立派なヨウヨウを作れるようになりました。
ヨウヨウは釣るゲームです。子供のお客さんが100円を払ったら釣針が付いた紙をあげてこれで水に浮かんでいるヨウヨウを釣ろうとしました。だけど紙で出来ているので濡れれば切れやすくなります。だからゲームの技は紙を濡らさないようにしながら水からヨウヨウを取ります。紙が切れるか又は五個のヨウヨウを取ったら終わりです。一個までも取れなかった子供に一個ヨウヨウをあげました。子供たちの半分ぐらいが失敗しました。
それにしてもたくさんの上手な子供が真面目な顔で集中して五個取りました。一人の子供が四回来てその度ごとに五個とりました。
一日でこの店は2万5千円ぐらい稼ぎました。成功と言えます。
ベン・ブロック(日本語の会・原文のまま)
阪神・淡路大震災・そしてボランティア
1月17日に発生した兵庫県南部地震は未曾有の被害をもたらした。私が勤務する職場でも、その当日から救援・復興のための仕事がはじまった。また、現地へも数十人が急行しそれぞれの仕事をこなしていった。こうした公的機関による支援活動とは別に、一般の企業もそれぞれ可能な限り支援の手を差し延べた。これらの組織だった動きとは違って個人レベルの支援活動も目立った。これまでの日本での災害では見られなかったボランティア達の活動だ。それらの活動は大変多岐にわたっており、新聞、TV等で報道された。又今も続いている。
当時、ボランティアの主体は、大学が年度末に近づいていたこともあって、学生であった。しかし、ボランティアは、被害者を含め、中学生、高校生、年配者等幅広い層に広がっていった。そのことが支援の分野を広げていった一つの要因になっていたと思う。また彼等が持つ暖かみが被災されていた人々の大きな支えになったことと思う。このことは、TIVONAの会の活動と共通する面があると思う。TV,新聞等の報道が連日ボランティアの活動を伝えたお蔭で、「ボランティア」と言う単語が市民権を得たような気がする。つまり多くの人がボランティアと聞いて、どんな立場で活動しているか容易に理解できるようになってきたと思う。私にとっては嬉しいことです。一方で、数年前からそれらの活動の実績を学校教育の中で「単位」として扱うことが決まった。ボランティア活動は、それを出来る人が、その範囲内ですればよいのであって、活動したことによって、しなかった人より優位に扱われることを望むものではないと思う。皆さんはどのように考えますか。
(小須賀 洋)
教科書問題に関するアンケート報告
先日は、教科書検討のためのアンケートにご協力下さいまして、ありがとうございました。体験に基づく貴重なご意見を、多数寄せていただきましたのでお知らせいたします。
なお、15名の方から回答をいただきました。
質問内容 |
First Lessons in Japanease |
文化初級日本語 |
絵入り日本語作文入門 | |
使 |
見やすい |
3人 |
- 人 |
4人 |
量的によい(20回完結) |
6 |
6 |
1 | |
内容が網羅されている |
3 |
3 |
1 | |
マニュアルがある |
2 |
7 |
- | |
実生活に役立つトピックスが多い |
1 |
2 |
1 | |
使 |
例文がよくない |
2 |
1 |
1 |
問題の数が少ない |
1 |
- |
- | |
解答がない |
- |
1 |
4 | |
マニュアルがない |
- |
- |
2 | |
実生活に役立つものが少ない |
- |
2 |
- | |
わからない |
2 |
4 |
2 |
※「わからない」と答えた人は使ったことがないという人がほとんどです。
· これらのテキストを使用するうえのアイディア
FIRST LESSON IN JAPANESE
- 絵カード(財団にあります)と共用すればよい
- 英語圏の人にとっては、和訳する時間がいらない
- 短期的に授業計画がたてやすい
- Vocabulary Notes、 英訳がある
- よく出来ているし、使い方によると、初級、中級でも使える
- この本を基礎として、初級段階の人々にしっかり入れるのは、よいのではないか
- Dialogues が難しすぎるとこがある
文化初級日本語
- 付属の問題集がある。各先生にも欲しい
- イラストが豊富で、タスクに使え便利
- 雑然としている
- 英語圏の方には少々難しいと思う時もあった
- 文法的な説明が多く必要とされる
絵入り日本語作文入門
- 話を広げ易い(絵を使ったりして)
- 練習帳として良い
- 英語圏の人にとって文法的なところ自習するのに難しいと思う時もあった
- これだけでは退屈、授業の中に取り入れる形がいい
· 今後テキストをどうしたらいいか
現状のままでよい。
はい・・5人、 いいえ・・3人、 わからない・・3人
入、初、中、日、同じシリーズで揃えた方がよい
はい・・2人、 いいえ・・6人、 わからない・・4人
入、初、中、日、別々のテキストでよい
はい・・1人、 いいえ・・0人、 わからない・・1人
· 学習者からのテキストについての不満
- 入門で、アメリカ人が「Japanese for Busy Peopleにしてほしい」と感想を書いている
- 内容というよりは、個々人のニーズに関するもの(漢字をもっと勉強したいとか)
それは教師サイドで解決できる問題である
· おすすめのテキスト名
初級のために「しんにほんごのきそ」・・・練習問題が多い
「Japanese for Everyone 」
· その他の意見
- 入門と初級は別の本にしてほしい。同じであるため入門の人が中級へ行ってしまった
- 新しいものを次々と買っていくより、今のテキスト準拠の絵カードや問題集を充実させ、各先生に配布してもらえるほうが教えるほうにとってはありがたい
- テキストは一つの例(媒介)でしかないので極力、受講者に合ったオリジナルを用意すればよい。どのテキストも50%以上は、意図しているところが同じと思える
- テキストは関係ありませんが、TV&VIDEOセットが使える環境を希望する
- 教科書は、教師が使い易いというより生徒が離日後も自習できたり、学習した事を思い出したりするよりどころとして長く使用出来るものであってほしい。問題の項等は教で全部やらない場合でも欠席した時にも、自分で出来るよう解答があったほうがよい
(林 はる子)
クラスの様子
入門コース(水曜日)の活動
参加者の出身国は、米国、ニュージーランド、イタリア、オーストラリアと日本人と結婚された中国人の5人です。講師は山田(恵)、卜、古谷(謙)と小須賀の4人です。二人が白板の近くで教え、残りの二人が受講生の中に入り、分かりずらいところを英語や中国語で簡単に説明したりチェーンドリルに加わったりしています。仕事の都合で4人全員が出席できることが難しい状態です。クラスの雰囲気は大変良いと思っています。
開講の前に(4月2日)集まり、方針を決めました。募集要項の入門コースの資格要件は余り具体的でないので以下のような基本方針を決めました。
入門コース事前打合せ(4月2日)
基本方針(案)
- 楽しいクラスにする
- クラスの和を重んじる。受講生同士のコミュニケーションが円滑に出来るような環境を作る。最終的に
- ひらがな、カタカナが読めるようにする
- 自己紹介、家族の紹介が出来るようにする
- 買物が出来るようにする
- 道を尋ねられるようにする
- 日本語の構成が分かるようになってもらう
- ひらがな、カタカナが読めるようにする
- 到達目標をあらかじめ受講生に案内する(英文等で用意)
- 1か月後に計画の見直しをする。当面10回分の計画をする
- 受講生が多ければ2つに分けることも考える
- 1回の講座で、10回ぐらい発言できるようにする。その日にしたことのうち何か一つを完全に覚えてもらう(文化的なものを含む)
- 主]と[副]は努めて外国語を使わない
- あいうえお」の表は初めの3回ぐらいで使用を止める
- 使う動詞や形容詞は4~5個程度にする
- 目で見える実物を用意する(地図、電話機、チラシ、食べ物 etc )
- ホームワークは希望があれば応じる
- 途中で入って来る人がかなりいるので、コースの基本方針を英語で書いたものを用意する
主要な部分を英訳し、受講生に渡した。
Basic Objectives
- All members should make a class as pleasant as possible.
- All members should try to make harmony among the participants. Instructors will also make an environment for paricipants to communicate smoothly.
- At the end of the cours, all participants are expected;
to be able to read Hiragana and Katakana
to be able to introduce by herself/himself or her/his family in Japanese
to be able to do shopping in Japanese
to be able to understand the grammatical structure of Japanease
to be able to ask the way in Japanese - Instructors should try to make the participants speak in the class at least ten(10)times.
- Participants are expected to memorize at least one thing that they learn in the class.
- Instuructors should try speak only 4 or 5 verbs or adjectives in one class.
- Home works should be given to those who request personally.
5月28日に見直しを行いました。1時間30分程度の時間に色々な事を話し合いましたが、主な点は以下のとおりです。
- 受講生の理解度について評価
- 英語等で、どの程度補助的に説明するか
- チームティーチングでのそれぞれの役割
- 欠席の場合の連絡の徹底
(小須賀 洋)
教科書検討委員会報告
6月17日(土)山田(し)、平野、林、松井、藤原の5名で凡人社の見学がてら、テキスト探しに行ってまいりました。書店の奥にはテーブルと椅子があって打ち合わせをするにもよし、休むにもよし、オープンな雰囲気であれこれ話しながら、数冊購入してきました。
アンケートの結果を踏まえて、条件として、1、量的には20回で終了するくらいのもの。2、教師用マニュアルのついていること。3、付属の問題集、解答のついているものがよいと言う3点をクリアーするものとして
- 文化外国語専門学校「文化初級日本語」(中級も有)の教師用の指導書、問題集また内容的に〈日本語講座〉で使えそうなものとして
- ELEC「日本語で話そう」(1-3)
- 専門教育出版「総合表記練習」を選んでまいりました。
今後、・期にむけて話し合いをするときに、改めてテキストをどうするか(変える、変えないにかかわらず)、検討するための資料として活用していただけたらと思います。つきましては、これらの書籍を7月11日(火)12日(水)に教室においておきますので、ごらんになって下さい。また、常時財団に置いてありますから都合のよい時にご覧下さい。
(藤原 茎子)
私の推薦図書(財団蔵書より)
「初級日本語・ドリルとしてのゲーム教材50」
栗山昌子 市丸恭子 共著 アルク 定価2,500円
語学の勉強は元来単調になりがちなものですが、そこをいかにおもしろく工夫して学習者を楽しませるのが教師の腕の見せ所でしょう。
本書には日本語学習者がより楽しく自然な日本語に親しめるように50の教材が収められており、次の3部から構成されています。第1部は初級用ドリルとしてのゲーム教材で、例えばビンゴゲーム、絵カード、数の足算と引算、ペアになってのインタビュー等が収められいます。第2部は文型にとらわれない初級総復習用のゲーム教材であり、第3部には物語を作っていくための6ないし8コマの絵が掲載されています。中でも”会社員の通勤”、”お花見”および”訪問”は日本の日常生活をよく表現しており、日本語の会では学習者の自由な発話、作文指導等に役立てています。
入門、初級クラスの授業では、学習した語彙の数や文型も未だ少なく、学習者に対して文法や授業の進め方等日本語での説明はなかなか難しいものです。その点、視覚教材を使いドリルの中にゲーム的要素を導入すれば学習者の興味を促し、授業がより楽しくなるでしょう。
本書は当日本語講座の入門クラスから日本語の会まで幅広く利用できる教材の一つだと思います。
(平野 良江)
TIVONAマークに選ばれて
TIVONAの会の皆さん。日ごろより当財団の事業にご協力をいただきありがとうございます。さて、このたびは「TIVONAのマーク」に、私の応募作品を選んでいただき、光栄に存じます。また、会長さんからは豪華賞品をいただき、ありがとうございました。今回、後世に残る作品がだでき、とてもうれしく存じます。
今回の作品は、全体のイメージとして、可愛らしさを打ち出し、筑波山(自然)とTIVONAのTIをアレンジしました。このマークをステッカーやTシャツ、ハンカチ等にぜひ利用していただき、TIVONAの会が大きく羽ばたくようお祈り申し上げます。
皆様方の今後のご活躍をご期待申し上げ、ごあいさつといたします。
(つくば都市振興財団 藤沢 宏)
はじめまして!
4月から、つくば都市振興財団の一員として、第一歩を歩みはじめた”宮本まゆみ”です。社会人になったばかりで、大きな希望と少しばかりの不安をもって、勤務を始めたところですが、覚えることが多すぎて、もうたいへんです。
ひとつずつマスターしていこうと思っていますので、大変ご迷惑をおかけするとは思いますが、よろしくお願いいたします。
(宮本 まゆみ)
第三回講演会のお知らせ
講演者 : |
徳永 美暁 |
演 題 : |
【 構文と意味と語用 】 |
日 時 : |
1995年7月29日(土) 13:30-17:00 |
場 所 : |
アルスホール2階集会室 |
多数ご参加ください。 |
TIVONA通信vol.4
第7期日本語講座始まる<?xml:namespace prefix = o ns = "urn:schemas-microsoft-com:office:office" >
10月3日より第7期の日本語講座が始まりました。今期の受講者数は73名で、出身国は韓国、フィリピン、イタリアなど25カ国以上ににわたります。入門、初級、中級・、・、日本語の会に分かれて、熱心な勉強がくりひろげられています。受講生の日本語がわかる様になりたい、上手になりたいという期待にこたえられる様、我々も努力をおこたらず、頑張りたいものです。
マクドナルドが嫌い
私は何でも美味しく食べることができる。そのため体重が減らない。夏の間に一回り増えてしまって、なかなか減らない。秋になり、さらに美味しく食べられる。味覚に鈍感と云う訳ではないが、不味いと文句を言いながらでも食べてしまう。そんな中でマクドナルドは嫌い。
十年近く前に、都内で2ヵ月半ほどの研修があり、つくばから通うこともできず、都内に泊まった。月曜日につくばを出て、金曜日に溜まった洗濯物と一緒に帰ってくると云うパターンを繰り返していた。食事は全て外食。朝は会場近くのハンバーガーショップ。日替わりモーニングサービスと云うものがあって、その日により、コロッケが挟んであったり、ベーコンエッグが、挟んであったりした。それにつけても、数十回食べた。それがマクドナルドと嫌いになった一因ではない。
マクドナルドには分厚いマニュアルが何冊もある。職員(ほとんどはパートタイムのアルバイト)は、限りなくそれに従おうとしている。お客が来たら笑顔で対応。○○秒の秋谷注文を受け、○○秒の間にカウンターに揃えて出す。これは人間相手の仕事とはとても思えない。私は、料理(食事はといいた方がよい)は1回1回違うものだと思っている。さらに大事なことは人間は一人一人全く違っている。商品を均一化すると同時にお客さんまで均一化してしまっている。だからマクドナルドが嫌い!
私の仕事は、測量をして地図を作ること。(最近はただ単に机に向かっているだけのことが多い。)この仕事の面白いことは1件1件現場が違い、同じ成果が絶対に無いことです。ですから、それぞれの作業で技術者が工夫をしながら目的を達成しようとします。とても人間味のある仕事です。
外国人のための日本語講座。これはもっと複雑である。日本語本来の構造を理解する、教え方の方法論を理解する、そして、文化や言語や性格の違う受講生を限りなく理解してあげる。しかし、面白い仕事だ。教える方は、年齢や性別に余り影響されない。毎回違う状況に陥ってしまう。
再びマクドナルド。最近テレビで値段が下がった、としきりに宣伝している。なぜか?これについては次の機会にしたいと思います。
(小須賀 洋)
講演会のお知らせ
講 師 : |
小林 寛氏 |
演 題 : |
「東アジアの交流と語学教育」 |
日 時 : |
12月9日(土) 9:30~12:00 |
場 所 : |
アルスホール |
参加申込締切: |
11月29日(水) |
古谷、又は財団まで |
徳永先生の講演会に出席して
7月29日 図書館集会室で第三回TIVONAの会の研修会が開かれました。徳永美暁先生が「構文と意味と語用」という演題で1時半から5時近くまで大変有意義なお話をして下さいました。先生のお話は二度目でしたが、本当にお話しするのが楽しくて仕方がないというお気持ちが感じられて、中身は勿論でしたが講師の理想像に接する思いがしました。お話のなかで私の心に残ったことを少し書いてみたいと思います。一つは語学教師は親のようなもので、子供の0才から6才までを育て、後は手助けをするだけというのが良い。親の務めは子供が人の話を聞き、自分の意志表現をして、自立出来るようにすることである。良い親、良い教師はまた、常に自分を律し、子供や生徒から学ぶことによって、成長して行かなければならない。教師は常に生徒の立場に立って考え、教授法を学ぶ以上に完成を磨いて、今何が必要かを関知する力を養うことが大切であるとのこと。
客を迎えた時、生徒を迎えた時、私はついあれも見せたい、これも教えたいと欲張り過ぎて結局、中途半端になり、不満が残って苦い思いをすることがよくあります。自分が教わる立場を思い出しますと、1時間でも1日でも、とにかく一回の参加で、たった一つでいい、何か心に残る驚きとか発見があると「ああ、来て良かった。」と感じ、「次も来なくては。」との思いに至ります。入門者の場合は少し違うかも知れませんが、出席者の要求に一つでも応えて、こういう感覚を一人一人の生徒にもってもらえるようになりたいものです。
もうひとつは教授法についてで、第二言語の習得には、まず、基本構文を学ばせた後、聞かせて、話させてのリピートが中心になる。しかし、書くことをしなければ、それ以上にのびない。初級では語彙を選びながら、構文をしっかり教える。中級では、日本語独特の表現を教える。また、文法的には正しくても実際には使われていなかったり、使わない方が良いことを知らせる。説明のいらない場面や絵を手がかりに使ったドリルを活用しながら、語彙、表現、文法(生産性のあるもの)を教え、後は教師は言葉をなるべく少なくして生徒にたくさん話させるとのこと。
早く伝えたい、知ってもらいたいとのあせりが先立ってつい言葉で説明しすぎてしまう未熟者には印象的なお話でした。更に進んで読解、作文がありますが、作文が理解度を確かめる手段として使えるお話も興味深いものでした。例えば物の位置を示す構文を教えた後で自分の部屋について書かせ、絵もつけさせると、言っていることと思っていることの不一致が見つかることがあるとか。
教師としての長いご経験と情熱から生まれた先生のお話は魅力的でしかもすぐ役立つことばかでした。クラスの進め方についても有益なお話がありました。素晴らしい先生との出会いを大切に、また、お会いする機会があることを願っております。
(丸山 節子)
私の推薦図書(財団蔵書より)
「日本語で話そう1」
高柳 和子/広瀬 万里子 共著 ELEC 定価 2,800円
本書は「基本表現とコニュニケーション」という副題がついているように初めて日本語を学ぶ人を対象に日常生活に必要な基本表現を無理なく習得できるためのテキストで7課から構成されています。例えば「はじめてあう」「えきとレストラン」「日本のせいかつはどうですか」「かいものをする」など実際の会話場面を想定した内容で、イラストが多く親しみやすいテキストだと思います。
各課は自然な会話文を短いスキットの型で提示してあり、練習問題1・2、聞取りの練習、そして学習者の自発的な会話に結び付けるように構成されています。練習問題は単なるパターンブラクティスではなく、この文型はどんなことを言いたい時に使うのかという英語の指示がはっきりしていて難しい文法用語に縛られることのない自由な空気が感じられます。
全体は漢字かなまじりですから、英語圏でない学習者にでも使えるテキストでしょう。別売りのカセットテープも利用したいものです。
(平野 良江)
協議会報告
文化庁主催の平成七年度、日本語教育研究協議会が八月一日、国立教育会館で開催された。山田しのぶさん、古谷謙宗さんと共に、第二分科会「地域の日本語教育における専門家とボランティアの連携」に参加する機会を得た。午前の全体会から夜の懇親会まで、ものすごい熱気の中で、全国から集まった人達との議論は尽きなかった。正解や結論の出るような問題ではないが、私達が特に商店をしぼって話し合ったことの一部を報告したい。
「地域の学習支援者にとっての専門性とは何か」について- 現場を体験している。心の結びつきを尊重している。同士の知識と技術を交換して新しいボランティアの育成にもかかわっていく。客観的に日本語を分析しながら、技術の向上を常に意識している。地域の情報を持っている。などが、専門性に通ずる。
「生活者として外国人在住者が抱えている種々の問題への私たちの拘り」について- 日本語を教えながら、どうしてもカウンセラーの要素が入りこむ。教える側の人間性が常に問われている。誠実に対応すれば、プライバシーに拘わらざるを得ない。仮に不法滞在者であったとしても、住民の基本的人権の一つとして、コミュニケーションを保障してあげるべき。最終的には行政の仕事になるが、行政の欠陥を補う。
等々、何れも肝に銘ずるべきであろう。他の地域の人達と意見を交換しながら、私たちの会が、振興財団の支援を得て、いかに恵まれているかを実感した。講師と受講生は日本語を「教える」「習う」という関係ではなく、縁あって、共につくば市に生きる人間同士という共生の視点が大切だと思う。その視点こそが、地域の国際化をささやかながら担っていくことになるだろう。
(中井 一枝)
国立歴史民俗博物館の感想文
私は日本へ来たもう一年になりました。日本へ来ていちばんたいへんな事はやはり日本語でしだった。はしめてはあまり日本人と話す機会もないし日本をどうして勉強したらいいかいつも考えました。それで私は二の宮公民館で今まで勉強しています。二の宮公民館では日本語勉強だけではなくいろんなおもしろい事かありました。特に印象が残る事は先生といろんな外国人といっしょうにさくら市にある国立歴史民俗博物館へ行った時でした。その博物館はすこく広いでした。第一展示室は古代人の話、第二展示室は中世の人々の生き方、第三展示室は江戸時代の生活、第四展示室はいろいろなくらしにふれられました。もちろん設明書とかビデオなどがあるんですげれでもやぱり外国の歴史はむずかしいだと思いました。それで私がぜひ知りたい事があった時には私のクラスの林はる子先生に親切で設明していただきました。見物がおわる時ぜんぶつかれてしまいました。でもほんとうにたのしかったのでいい思い出になりました。
(韓国)権 旻廷
第六期初級クラスの様子
このクラスはアメリカ、ドイツ、フィリピン、ロシアの主婦から成り、毎回、熱心に勉強して来ました。後からドイツの男性が加わりましたが、すぐに明るいクラスの雰囲気に慣れ、とけ込まれました。
クラスの先生方はテキストの勉強以外に、日本の文化、風習、習慣を外国の型に理解して頂こうと、実物を持って来て見せたり、試食をしてもらったりした、熱心にクラスを盛り上げて行きました。クラスの皆さんは興味を持って質問したり、ノートを執ったりしていました。自分の国の文化の事などを、クラスの人に話すために、懸命に言葉を探す努力をしている姿に、思わず「頑張って!」と心の中で声援を送ったりしました。その話がクラスの人達に通じたときは、話し手と共に先生方もホットしました。さらに、その話題を次の生徒が引き継いで、つぎつぎとお国事情をクラスに紹介してくれた時など、授業としては大成功で、その話題に花が咲きました。
明るくて意欲的な生徒の中で、楽しく六期の初級クラスを終ることができホットしています。荒井先生、川辺先生、古谷先生、諸先生方の御話も興味深く、参考になりました。
そしてこのクラスの方々が、楽しく前向きに生きている姿に爽やかさを感じ、心豊かになりました。
(谷津 葆子)
スロベニアだより
前略 みなさん、お元気でいらっしゃいますか。はやいものでもう11月、こちらに来て2ヵ月になろうとしています。スロベニアとお聞きになっても、依然どのような国か想像もつかない、という方が多数おいでだと思います。この国は、元ユーゴスラビア連邦の一部でした。北はオーストラリア、西はイタリア、東はハンガリーに接しています。ティトー大統領の時代から、地理的に西側に近かったことや、ユーゴ連邦の工業生産を担っていたこともあり、東側諸国と言うには非常に資本化された国です。国の生産は農業、酪業と工業(機械部品)です。しかし機械工業については、西側とはりあうには、技術力も生産力もなく、非常に苦しい状態です。こういった事情のためか、いわゆる外国製品は20%位の関税がかけられ、特に電化製品、服飾方面の価値は驚く程です。
さて大学の方は、初めての授業から2週間が経ちました。まず、我々の学科の正式名称は次のとおりです。- リュブリャーナ大学哲学部欧州外言語文化学科- 「欧州外」というのは何とも閉口します。ここに、日本語と中国語のセクションがあります。スタッフはそれぞれに2名ずつ、外国人講師は私一人です。今年新設されたばかりなので、机、いす、本棚、また教室でさえ、何をとっても不十分なものばかりです。思いおこせば、よくもまあこのような状態で授業がやってこられたものだと感心しています。学生数は日本語専攻だけで70人足らずです。講義の時間はこれらの学生が1クラスで、演習の時間は2クラスに分けて行っています。しかし、2クラスにわけても30人余、また、名前もなじみがないものばかりで、いつもあたふたしています。授業のスピートは、かなり速いのですが学生が熱心なのには頭が下がります。一週間でひらがなを覚え、二週間で「-に-があります」という作文をこなして(?)います。自らの外国語学習をふりかえると全く恥ずかしいばかりです。
これから、脱落していく学生がではじめる頃でしょう。スタッフの方も今の人数の半分位にはしたいと思っています。・・・つまり、20人余ぐらいまで、減らしたいと思っています。その一方で、やはり授業についてこられない学生を蜜のはとてもつらいものがあります。皆に卒業してもらいたいのですが、現実は本当に厳しいですね。
また、日本から遠く離れ、日本のニュースといえば台風とかオウムしか伝わってこないような所で、いかにして高いモティベーションを保つようにしむけるか、というのも重要な課題です。図書、雑誌、コンピュータ等を通して、少しでも日本を身近に感じてもらうことを考えていますが、どうなるか。
二の宮も、今期はクラスが増え、生徒さんも70人位になっているとか。二の宮でのいろいろな楽しい経験をもとに、こちらで毎日奮闘が続きそうです。正に自転車操業です。どうぞ、これからも楽しい、そして有益な授業をお続け下さい。生徒の皆様にもよろしくお伝え下さいませ。
これから、筑波も寒くなることでしょうが、どうぞお身体にお気を付けて。また、二の宮、筑波の様子もお聞かせ下さいませ。では、ごきげんよう。 かしこ
守時 なぎさ
編集後記
今年の秋は暖かく、そのせいか紅葉も例年のようなあざやかさに欠け残念なことです。さぼっていたわけではないのですが、それぞれに事情があり、発行が遅れましたこと、お詫びいたします。機会あって、スロベニアの守時さんの活躍ぶりを拝見して来ました。正式採用の為の、資格審査や就労ビザの取得手続きなど、さまざまな問題を1つ1つクリアしながら頑張る彼女に心より声援を送りたいと思います。
(松)
TIVONA通信第5号
第7期日本語講座終了<?xml:namespace prefix = o ns = "urn:schemas-microsoft-com:office:office" >
去る3月13日(水)第7期日本語講座が無事終了致しました。年明け1月頃より例年にない寒さのためか、出席者数が少なくなるということもありました。しかし、中には遠くから寒風をついて自転車で通って来る熱心な受講者を見ていると、教える側としてもがんばらなくてはという気持ちにさせられました。
この3月で何人かのメンバーが日本語講座を去られることになり、さびしい思いをしますが、みなさんがこれまでに残されてきたものを引き継ぎ、生かしながらよりよい日本語講座となるように頑張りたいと思います。
人前で話すということ
私は、人前で話すことを苦手としています。理由はいろいろありまして、まず、もともと声が小さい、あがってしまう、自信がない、十分な準備をしていない、etc.。
最近人前で話す機会が何度かありまして、思ったようにいかず苦い思いをしました。1回目は、この1年間取り組んできた測量の技術基準が出来上がり、それに関する講習会を東京の某会館で、この道で生きている人を対象にして行いました。300人以上の聴衆が2階までびっしりといて、私の持ち時間は45分丁度でした。数ページのテキストとOHPを用いて行いましたが、会場の反応を見ている余裕などはほとんどなく、予定の45分丁度で終えるのが精一杯。その後録音テープを渡されましたが、決して満足できるものではありませんでした。数週間後、地方の会場で同じ事をする機会を与えられました。ただし、聴衆は600に増えていました。結果は・・・。2回目は、娘が通っている小学校の上級生向けに「お父さんの仕事」の授業の枠組みで、「地図と生活、そして地球環境」というテーマで100名程の、何も知らない人(しかも、ずっと年下)を対象にして45分ほどお話をしました。楽しく話ができた気がします。これも私のボランティア活動。
日本語教室で、外国から来られた人達に正しい日本語を教えることは、楽しいことでもあり、ゾッとするほど真剣に取り組まなければいけないと思うこともあります。初めてこの活動に参加してから、もう、2年程経ちますが未だに照れくさい気がしています。言葉でのコミュニケーションが十分でなくとも気持ちはかなり通じるものであるという事は日本語教室に参加した人のほとんどが感じていると思います。
初めに戻りますが、私は話をするのが苦手です。そこでこの様に考えるようにしています。いつもポジティブ(あるいは楽観的に)に考える。聴いている人の立場で考える。自信を持って話ができるように良く準備をする。完璧を追求しない。この様に考えると少し楽になります。私の性格を知っている人は思い当たる節があると思います。
(小須賀 洋)
第2回 TIVONAの会総会のお知らせ
日 時 : |
4月13日(土) 10:30 ~ |
場 所 : |
つくば都市振興財団 会議室 |
小林先生の講演会に出席して
年の瀬の12月9日、恒例の講演会は土曜日の朝、つくば市立図書館内にあるアルスホールで行われました。講師は小林 寛(こばやし ひろし)先生。信州大学教育学部を卒業された後、筑波大学の大学院博士課程に進まれ博士号を取得。現在は目白大学文学部に於いて専任講師をなされている他、筑波大学、つくば国際大学でも教えられています。先生の御専門は近代東アジアに於ける思想の研究です。また、先生は韓国のソウル大学に留学されていたことがあり、語学(韓国語・中国語)も堪能で、御専門の他にも日本人には韓国語を、アジアからの留学生には日本語を教えていらっしゃいます。
さて、講演会当日、先生は、これまでの先生の御経験を踏まえ、韓国や中国を中心とした東アジアの文化について、また東アジアから日本にいらしている外国の方々に日本語を教授する際の留意点などについては、大変わかりやすく、またとても親切に、お話して下さいました。講演の内容について私が覚えている範囲で書き連ねていきますと、まず地理的・歴史的な視点から日本とアジアの国々との関わりについてお話されていました。特に語学学習という点に於いて、地理的な近さは文化的な交流が歴史的に盛んであったことを意味し、そこから生じた「漢字の共有」はお互いの言語を学ぶ上で非常に有益であると話されていました。しかし、その一方で日本とアジア諸国の関係は歴史的に見ると決して平穏が保たれていたとは言えません。先の大戦で日本がアジア諸国に対して取った数々の残忍な占領政策。その事実を知らない日本人の子どもは沢山いますが、韓国の子どもなら誰でも知っています。そのギャップから生じる問題は最近でも、しばしば新聞を賑わしています。そしてまた、そのような問題は時々、私たちの日本語教室の中にも論争を持ち込むことがあります。そういう場合、私達は教師として、一体どのようにして、それに対処していけばいいのでしょうか。この疑問に対して、今回の講演会の中で小林先生は、自らの経験に基づく一つの解決案を示しておられ、大変興味深く拝聴させていただきました。
私も、教室の中で生徒に何かわからないことがあると安易に英語で言い換えたりしていましたが、そこで学んでいる生徒達の文化的背景や、そこから生じてくる様々な感情などを考えると、それで良いのかと色々考えさせられました。とても有意義な講演会でした。小林先生ありがとうございました。
(石崎 貴士)
クラスの様子
今回はイランから来ているホセインさんに、クラスの様子(第7期中級・水曜クラス)を伝えていただきます。
はじめにぼくたちの先生をしょかいします。このながい間先生たちはいっしょうけめい日本語のルールを教えくたさったので本当にありがとございます。これからもどうぞよろしくおねがいします。日本語クラスのかかりの人いろいろのことをまとめてぼくたちのためにありがとございました。よくべんきょうするにきょうかしょのしゅるいがあればもっとほもしろいおもいます。それからちこくをしないうできればクラスのはじめる時間をもちょとおそくすればいとおもいます。
(原文のまま)
返却して下さい
第6期 入門クラス(水曜日)の記録ファイルが行方不明になっているので、お持ちの方は至急財団までお戻し下さい。
TIVONAの会のこれまで、そしてこれからについて
TIVONA通信は5通目の発行、講座は第8期を迎えました。ゴー、ゴーの五、末広がりの八。何やら縁起の良いナンバーが重なりました。この辺で一寸、初期の様子を紹介ししてみようかと思います。
日本語講座開設のころ:
91年(開講の前年)の暮れに財団の日本語講座開設の話を聞き、当時日本語教員養成コースで勉強を始めていた私は喜んで応募しました。講師の数が少いとのことで、川辺千恵子、田辺佳子(94年大阪へ転居)さんをお誘いしました。他には県主催の日本語講座に参加された谷津葆子、鈴木良子(家の事情で1期のみ)さん、他からの岡崎光代さんとで結局6名集まりました。財団からは藤岡洋一、新婚間もない大木嘉子さんで、合計8名が初めて顔を合わせたのは5月頃でした。その当時既に藤岡、大木さんは東京、横浜地区等の自治体に於ける日本語講座を見学されていて、大体の構想は持っていらしゃいました。8月頃から会議を始め、具体的なことを決めていきました。例えば学生の応募要綱、教科書等々。文字通り手さぐり状態で8名全員が意見を出し合って出発しました。
この講座の目標は、日常生活ですぐ役立つ日本語を教えること。良いコミュニケーションの場にすること。クラスの運営は複数の講師による自然な会話から進めること、としました。実情は、家の事情で休まなければならない時の負担を考慮したのと、一人では心細く助け合っていこうという気持ちでした。教科書は〔SIMPLE CONVERSATION IN JAPANESE ] で、タスク中心の形のものを選びました。
藤岡、大木さんが学生募集要項を各施設や企業へ届けたり、広報誌に載せたりして下さいましたが、学生は集まるのか、どんな学生が来るか、まったく予想もつきませんでした。
第1期講座開講:
10月開講時には欧米系中心に22名の受講生が集まりました。レベルは初級の・、・、位で顕著な差はなく、7~8名ずつ3グループに分けました。同じ教室で、同じ教科書を使って授業が始められ、回を重ねるうちに自然に力の差によるまとまりが出来、それぞれの特徴も出てきました。理解度の違い、そのための教え方の違いなどが段々分かってきました。毎週土曜日の午前中に8名が集まり授業の進行状態、問題点等話し合い、次の授業への工夫、計画などを検討し合いました。夢中で体験していった授業とこの会議を通じて、日本語を教える難しさ、それにも勝る受講者との心のふれあいの楽しさを味わいました。
コーヒーブレイクを設けること、中間と最後にパーティーをすること、一回バス旅行などで見学会を持つことなどが決まっていきました。
TIVONAの会発足:
日本語講座は順調に滑りだし、第2期には受講生は78名、講師は18名となりました。
第1期の経験は、数々の問題点を前向きに捕らえ、考えることを教えてくれました。
3期、4期と新しい受講生が増える一方、何期も続けてくれる受講生ができてきました。教授法を追求したり、教科書を見直したり、クラス内の力の差に対処する方法を模索したりと検討すべき点が増えてきました。良いコミュニケーションも深まり、楽しいことも増えましたが、何人かの受講生は帰国し、また一緒に悩み、励まし合った講師の中に転居される方々も出てきました。
講座が発展して行くと共に、講師間の連絡、情報伝達の重要性が生じてきました。藤岡、大木さんとの連絡に講師としてのまとまりが必要になってきました。
多くの講師の方々から、教授法の指導や、勉強会をすることの希望がよせられました。このような状態の中から講師のまとまりの会を作ろうということになりました。
第2期から参加されていた小須賀さんを会長に、94年3月19日に第1回TIVONAの会が開催されました。会発足の必要性が言われてから1年近くかかったと思います。その間の、大木さんの親身なバックアップやアドバイスは決して忘れることが出来ません。第1回会議の記録を見ますと、現状の把握(名簿作成)、教授法の技術向上、ボランティアとしての立場と講師の立場、などが述べられています。
TIVONAの会ではこの2年間で3回の講演会を開催しました。また勉強会や、教科書検討会等も行っています。ニュースレターを発行し、授業の様子や図書の紹介など、色々の情報を伝えています。95年には県の国際交流奨励賞を受賞しました。3年目を迎え益々充実し、会員のために役立つ会へと発展することでしょう。それには、皆様の自由な発言と自発的な参加が不可欠です。
このように日本語講座、TIVONAの会が順調にこられたのは、皆様の熱意は勿論ですが、大木さん、財団の適切で親切なバックアップがあったお陰です。財団には教材がまとめてあり、しかも順次新しい物を購入して下さっています。何時でも借りられます。必要があればコピーも出来ますし、TIVONAの会用の机もあります。昨年、自治体のボランティアによる日本語講座の全国会議に出席しましたが、そこで如何に私たちTIVONAの会が財団のバックアップに恵まれているかを痛切に感じて来ました。
以上、初期の頃の様子を拙い文で述べましたが、まだまだ言い尽くせない沢山の経験をし、正に珠玉の時を過ごさせていただきました。深く感謝しております。私事ですが、91年暮れから夢中でまいりましたが、昨年東京に転居し第7期までで、参加出来なくなりました。皆様に心より御礼申し上げます。また何かの折りや、講演会等には参加させていただくつもりでおります。日本語教授にはこの先も係わっていきたいと思っておりますので今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。ご健康とご発展お祈り申し上げます。
1996年3月 旧副会長 山田 しのぶ
当世学生事情
~スロベニアだより~
スロベニアでは政治運動、学生運動は皆無のようなのですが、先日、スロベニア人もびっくり!の学生デモがありました。スロベニアには大学が2つ(リュブリャーナ大学、マーリボール大学)あるのですが、その学生は、いくつかのレストランで使用できるクーポン券を持っているそうです。今回行われたデモは、クーポン券の配当を増やすべく、政府は対処すべし、という主旨のもとに行われました。まず、デモの数日前、私たち哲学部の部長が、大学側の見解というようなものを発表していました。その数日後がデモの決行日というわけです。私も、どんなものか、物見遊山に行ってみました。
しかし、デモとはああいうものでしょうか、音楽をならし、派手なパフォーマンスをしている。学生でも、真剣なものはごく一部のようで、あとは支給されるジュースやスナックをもらって遠まきに眺めている人たちが多数です。
その後、数人のスロベニア人にたずねたところ、いずれも批判的な態度ばかりでした。学生は、お祭り騒ぎがしたいだけだとか、誰が先導しているか見きわめるべきだ、とか。新聞の報道によると、当該の学生グループの使途不明金だけでも、今回政府に要求する以上の額になるそうです。スロベニアらしいといえばスロベニアらしいですが、日本にも通じる事情がありそうですね。
(守時 なぎさ)
編集後記
日一日と暖かくなってきている今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。早いもので、あと1週間もすると新しいクラスが始まりますね。前回の反省・教訓を頭の片隅において、楽しい授業をめざしてがんばっていきましょう。